サイト分析
サイトのアクセス分析、何ができる?初心者のための基本ポイントを解説
2021/07/20サイト分析
自社のwebサイトを運営していく中で、必ずぶつかる疑問があると思います。
どんなユーザーが訪れているのか?
どのページがよく見られているのか?
サイトからの問い合わせがなかなか無いのはなんで?
それらの疑問を解決するために必要なのが、「アクセス分析」です。webサイトを活用して効果的に集客をしたり売り上げにつなげていくためには、「ユーザーがwebサイトでどんな行動を取っているのか」の情報を集め、それをもとにサイトを改善していくことが不可欠になります。
この記事では、アクセス分析の目的や無料で使えるツール、みるべき指標、分析をもとにしたサイト改善のアイデアなど、基本的な知識を整理して行きます。
これからwebで集客していきたい!という方、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツ
アクセス分析の目的は?
どんなサイトでも、流入してきたユーザーに達成してほしい行動があるはずです。「商品を購入してほしい」「サイトから問い合わせをしてほしい」「会員登録をしてほしい」など、サイトの内容によって求める行動は異なりますが、このようなwebサイトにおける最終的な成果を「コンバージョン」と呼びます。
サイトに訪れるユーザーが全員コンバージョンに到達してくれるのが理想ですが、現実的にそのようなことはなかなかありません。何らかの原因によって、コンバージョンを達成する前にサイトから離脱してしまうユーザーがいます。そのような離脱ユーザーを減らし、コンバージョン数を増やす/コンバージョン率を上げるためには、サイトを改善していく必要があります。
そこで重要になるのが、アクセス分析です。効果的なサイト改善を行うには、改善策を決める根拠になるデータが必要です。アクセス分析をせずに、なんとなくの改善策を講じていては、いつまでたってもコンバージョンは向上しないでしょう。
つまり、アクセス分析の目的は、「効果的なサイト改善策を行い、コンバージョンを向上させること」ということができます。
何から手を付ければいい?を解決!アクセス分析をするときの考え方
アクセス分析をすることの目的については、理解できたと思います。
では、実際にアクセス分析をするとなったとき、いったい何から始めたらいいのでしょうか。
そこで、アクセス分析をするときの考え方を、「リンク」を例に流れに沿ってご説明します。
サイトに対する「ギモン」がアクセス分析の第1歩
アクセス分析を始めるにあたり最初にやるべきことは、サイトに対する疑問をとにかくあげてみることです。
自社の商品を紹介したコラムページに、紹介している商品の詳細ページへのリンクを貼っているとします。しかし、サイトからのその商品へのお問い合わせはまったくありません。そんな時、「このリンクって本当に意味があるんだろうか?」という疑問が浮かんでくると思います。
この疑問こそが、アクセス分析のきっかけになるものです。
この疑問を解消するためには、「リンクが何回クリックされているのか」を把握する必要があるでしょう。また、リンクそのものの存在に気づかれていない可能性もありますね。その場合は、「リンクがある部分まで記事が読まれているのか」を調べてみる必要があります。ページ内の複数の位置に遷移先が同じリンクを貼っている場合は、「どのリンクがよりクリックされているのか」を比べてみる必要があるかもしれません。以上、1つの疑問から少なくとも3つの項目について調べる必要がありそうなことがわかりました。
このように、サイトへの疑問をまず考えることによって、アクセス分析で何を調べたらよいのかをはっきりさせることができます。
疑問を解消するための指標を調べよう
サイトへの疑問から調べるべき項目がわかったので、次はそれを知るためには何の指標をみればいいのかを考えましょう。
「リンクが何回クリックされているのか」を知りたいときは「クリック回数」を、「リンクがある部分まで記事が読まれているのか」を知りたいときは「読了率」を、「どのリンクがよりクリックされているのか」を知りたいときは「クリック率」を見ることになります。
知りたいことに対して見るべき指標、というのは把握しておかないとなかなかすぐにはわからないでしょう。この部分については、後ほど詳しく紹介します。
集めた情報をもとに、効果的なサイト改善策を考えよう
指標を調べたことで、リンクに関する様々な情報が集まりました。
「クリック回数」を調べたところ、思っていた以上にクリックされていたとします。クリックされているということは、リンクとしての役割は果たしているので意味はあるようです。このことから、問題があるのはリンクした先のページである可能性が出てきたので、次に打つべき施策はリンク先ページについて分析する、ということになります。
「読了率」をみると、ページの上部は多くの人が読んでいるのに、下部にいくほど読んでいる人が少なくなっていくことがわかりました。このことから、ページ下部の方にあるリンクはあまり意味がない、といえるでしょう。リンクはなるべくページ上部の、多くの人の目に留まる位置に貼る、という改善策が考えらえます。
「クリック率」は、リンクの位置によってばらばらであることがわかったとします。ページ上部や真ん中のクリック率は高いのに、ページ下部のクリック率が低いのであれば、ページ下部のリンクはバナーに置き換えてより目立つ形にする、などの改善策を講じる必要があるでしょう。
このように、アクセス分析によって得られた情報から、さらに分析が必要な項目が明らかになったり、適切なサイト改善策を講じることが可能となります。
改善したそのあとが重要!効果測定を継続しよう
アクセス分析をもとにサイト改善を行いましたが、それで終わりではありません。「本当にその改善策は効果があったのか?」を知るために、継続的な効果測定を行う必要があります。講じた改善策が適切ではなかった場合も考えられるのです。
基本的には、最初のアクセス分析で見た指標を定期的に測定するようにしましょう。改善の前後で数値にポジティブな変化が現れれば、改善策は適切だったということになります。逆に、ネガティブな変化が現れた場合は、別の改善策を行うなどして対策する必要があります。もちろん、改善した部分以外の要因が絡んで数値に変化が現れることも考えられるので、外部要因があることを常に考慮に入れて測定を行うようにしましょう。
ギモン別、見るべき指標をチェック
サイトに対する疑問はわかっても、何の指標をみたらいいかわからない、というのはアクセス分析初心者が必ずぶつかる壁です。
ここでは、サイトを運営する中でありがちな疑問と、それを解決するために見るべき指標をいくつか紹介します。
どんなユーザーが来ているんだろう?
自社がサイトから獲得したいと思っているターゲットと、実際にサイトに流入しているユーザーが必ずしも一致しているとは限りません。流入しているユーザーがどのような傾向をもつのかを知りたい場合は、
・ユーザー属性(性別、年齢)
・ユーザーの住んでいる地域
・流入時のデバイス
などの指標をみるといいでしょう。
ターゲットとユーザーが一致している場合は、次の段階としてコンバージョンにつなげるための施策をうつことができますが、一致していない場合にはターゲットを実際の流入ユーザーに変更する、ターゲット層を獲得するための別サイトを作る、などを検討する必要があります。
このページ、本当に読まれているのかな?
サービス紹介をしているページや、おすすめ商品を紹介した記事など、サイト内にはいくつものページやコンテンツがあるでしょう。ですが、実際に読んでもらえていなければ意味がありません。ページにアクセスされているのかを確認するには、
・ページビュー数
を見ましょう。
しかし、ページビュー数を見ただけでは、ページへの流入しかわかりません。そこで併せて見たいのが、
・ページの滞在時間
です。ページビュー数が多く、かつ滞在時間が長ければ、時間をかけてしっかりと読まれている可能性が高いです。逆に、ページビュー数はあるのに滞在時間が短い場合は、ページの内容があまり魅力的ではないか、求めていた情報とは異なる情報が記載されているのかもしれないので、ページの内容について改善する必要があるでしょう。
サイトへの流入はあるのにコンバージョンに繋がらないのはなんでだろう?
サイトへのアクセスは多いのに、問い合わせが全く来ない…なんてことは、実は意外と多い悩みです。コンバージョンにつながらないということは、コンバージョンに到達するまでのどこかのページでユーザーが離脱している可能性があります。その場合、
・ページごとの離脱率
をチェックして、離脱率が高いページの改善を行う必要があります。
問い合わせページに遷移するリンクやバナーがわかりにくい、ということも考えられるので、
・リンクやバナーのクリック数
・リンクやバナーのあるページの読了率(スクロール率)
・ヒートマップ
などの指標を組み合わせて見るようにしましょう。
離脱率が高いページがあるのであればユーザーが興味を持ちやすいコンテンツに書き換えたり、リンクやバナーの位置に問題があれば、いくつか配置のパターンを用意して、ABテストを行って効果的なリンク・バナー配置を探るのも1つの手です。
無料で使える!おすすめアクセス分析ツールをご紹介

アクセス分析をするのに必要なのが、分析ツールです。
色々な会社が独自のアクセス分析ツールを開発していますが、それらはほとんどが有料となっています。しかし、最強の分析ツールと言っても過言ではないアクセス分析ツールが、実は無料で使えるのです。それは、Googleから発表されている、「Googleアナリティクス」「Search Console」「Googleタグマネージャー」の3つです。
それぞれどんな分析ができるのか、説明していきます。
Googleアナリティクスーアクセス分析といえばこれ!
Googleアナリティクスは、サイト全体へのアクセス数や流入経路、ユーザーがサイト内でとった行動フローなど、様々な情報を収集することができるツールです。
また、レポート機能も備わっているため、収集した情報を可視化することが可能であり、カスタムすることができるので自社独自の分析レポートを作成することもできます。
また、Googleの他のwebマーケティングツールとの連携も可能なので、独自性の高い分析をすることができます。
多くの企業が導入しているツールのため、ググれば詳しい使い方がわかるのもおすすめポイントの1つです。
インストールはこちら:Google Analytics
Googleサーチコンソール-SEO対策をするなら必須のツール!
Googleサーチコンソールも、Googleアナリティクス同様無料で使用できるアクセス分析ツールです。自社のサイトがどのようなキーワードで検索されたときに検索結果に表示されているのか、ユーザーが何のキーワードでサイトに流入してきたのかを調べることができるためSEO対策には必須のツールといえます。
検索キーワード以外にも、SEO面での問題点(ページがインデックスされているか、など)を知ることができます。
Googleアナリティクスが「サイトに流入した後」のユーザーの行動を分析できるのに対し、Googleサーチコンソールは「サイトに流入する前」の行動を知ることができるため、この2つは必ずセットで使用するといいでしょう。
インストールはこちら:Google Search Console
Googleタグマネージャ-わずらわしいタグの管理が簡単になる
Googleタグマネージャーは、タグを一括管理することができるツールです。これまで紹介したGoogleアナリティクスやGoogleサーチコンソールなどのアクセス分析ツールを使用するには、データを収集するためのタグをサイトに埋め込む必要があります。いちいちサイトに長いタグを埋め込むのはとても面倒かつ、ミスしてしまうとサイトが動かない!なんてことも起こりえます。そのような心配をなくしてくれるのがこのツールです。
さらに、計測用のタグを設定すれば、Googleアナリティクスを通して様々な項目を計測することが可能となり、Googleアナリティクスだけではわからないような情報も収集することが可能になります。
タグの管理はとても簡単ですが、設定時には注意が必要な点もあるので、詳細な設定方法に関しては別の記事をご覧ください。
インストールはこちら:Google Tag Manager
アクセス分析をして、サイトからの集客をUPさせよう!
以上、アクセス分析の基本的な部分について解説してきました。
アクセス分析は、サイトからの集客を効果的に行う上では絶対に欠かせないものです。
難しそうに思えるかもしれませんが、きちんとした目的をもち、考え方さえ身に着ければ、あとは試行錯誤しながら様々な分析を行うことができるようになります。
無料で始めることが可能なので、この記事を読んでみて「自分でもできそう!」と思われた方、ぜひ挑戦してみてください。