コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングで集客効果を得られる?メリットデメリットを解説

2021/07/20コンテンツマーケティング

「コンテンツマーケティングが集客に良いって聞くけど、本当?」
「自社もコンテンツマーケティングをやったほうがいいのか分からない」

コンテンツマーケティングが主力のマーケティング手法としての地位を確立した現在でも、このような疑問を感じている方は多いです。

実際、どのようなマーケティング戦略にも強みと弱点がある以上、コンテンツマーケティングに取り組んだほうがいい場合と他の戦略を検討したほうがより効果に繋がる場合で二分されます。

この記事では

・コンテンツマーケティングのニーズが高まった背景の整理
・コンテンツマーケティングに取り組むメリット・懸念点

を解説します。

コンテンツマーケティングが得意とすること、苦手とすることはなにかを知ることで、自社が求める成果を創出するために最適な手法かどうか判断することが出来ますよ。

 

「企業からの一方通行な情報発信」は不快!?「ユーザー目線に立った有益な情報発信」への転換期を迎えている

コンテンツマーケティングとは、売上向上・問い合わせなどの獲得や企業イメージの向上を目的に、自社の売上に貢献してくれる可能性の高い人が抱えるお悩み・ニーズを満たしてあげるような情報を最適な形で発信することで、相手の懐に入ることを可能にするアプローチ戦略です。

相手の懐に入る、というと相手に気に入られて関係を構築していくことを指しますが、まさに昨今のマーケティングの現場においてユーザーの好感度・信頼感の醸成が重視されるようになった背景があります。

企業が認知度向上や集客、売上向上を目的に施策を実行する際の基本的な手法として「広告」が挙げられ、近年ではインターネット上のあらゆるスペースが広告枠として販売されるようになり、広告を目にしない日はありません。

しかし、その接触機会の多さこそが広告の弱点となりつつあります。

2018年にイーライフが発表したGDPRによる消費者意識の変化とデジタルマーケティングの展望」によると

・ネットに出てくる広告に対して不快になったことがあると回答した人は75.1%
・不
快な広告の商品・サービスを利用したくないと回答した人は75.5%

と、広告を出稿する企業の意図とは裏腹に、ユーザーのネガティブな感情を喚起するモノとして機能してしまっている恐れが高いことが伺えます。

これらの潮流を受け、企業の都合や主張ばかり考慮されたプッシュ型アプローチではなく、ユーザーの主体的な行動に対して接触を図るプル型アプローチへの転換を選択する企業が増えているのです。

 

コンテンツマーケティングに取り組むメリット・強み6つ

1.Webマーケティング初心者でも成果を出しやすい

コンテンツマーケティングは何か特別な技術やスキルがないと成果を出すことができないといった、いわゆる敷居の高い施策ではありません。

当然、コンテンツマーケティングを推進する担当者になった場合、新しく学ぶべきことは決して少なくはないでしょう。しかし、成果を創出するために最も大事になるのは「いかにユーザーにとって有益な情報を発信することが出来るのか」という、徹底したユーザーファーストの姿勢で取り組むことです。

どんなコンテンツを制作するとユーザーの役に立つか?

ユーザーが自社に対して本当に求めていることは何か?

ユーザー視点に立った判断基準に基づいて戦略策定を行い、仮説を実証するためにどんどんユーザーのためになると思われるコンテンツを作って公開し、分析ツールを通してユーザーの反応を確認し、軌道修正や新たな次の一手を決める……という地道なPDCAサイクルがコンテンツマーケティングの基本的な進め方になります。

このように、積極的に試行錯誤を繰り返していく中で運用の質を徐々に高めて成果創出に繋げることこそがコンテンツマーケティングの面白みとなります。

いかにユーザーと向き合い続けることができるか、その根気強さと行動力がモノをいう施策といっても良いかもしれませんね。

2.アプローチ出来るユーザー層が拡大し、集客効率が上がる

広告など、従来のアプローチ手法は企業主体で働きかけるアプローチとも言い換えられるでしょう。この手法の弱点として、「企業がターゲットユーザーであるとはっきり認知しているユーザーにしかアプローチすることができない」というものがあります。

企業にとって有益な顧客になりうるユーザーが存在していたとしても、その事実を企業が見落としてしまうとアプローチ対象外となってしまい、その層と接点を持つことは非常に困難になります。

しかし、コンテンツマーケティングはユーザー主体のアクションによって接点を得るという性質を持ちます。

自社の顧客になりうるユーザーはきっとこういう悩みやニーズを持っているだろう、というエッセンシャルな部分を踏まえたコンテンツを用意して発信さえしてしまえば、あとはそのコンテンツに価値を感じるユーザーが自ら検索行動といった情報収集を通して企業へ接触を図ります。

つまり、企業が予め全てのターゲットを把握する必要も、ターゲットごとに直接働きかける労力を割く必要がなく、待ちの姿勢でも集客が出来るようになります。

何よりも、企業主体のアプローチでは接点を持つのが難しいと考えられていた潜在層に属する数多くのユーザーを集客することも出来るようになるため、広告等と比較しても集客効率が圧倒的に高いという強みを持ちます。

3.低予算で取り組むことが可能

まとまった予算が成果創出の前提条件になる広告などと比較し、コンテンツマーケティングは導入時に必要なツールや費用が少なく、ランニングコストも安く抑えることが可能です。

ゼロの状態からコンテンツマーケティングを始めると仮定した場合でも、初期費用として発生するのは

・サーバーやドメインの取得(無料も可)
初期のサイト開発費

ほどです。

もはや、TwitterやInstagramのようなSNSやnoteを代表としたブログプラットフォームなどでアカウントを取得し、自社で運用することが可能な媒体を活用する場合は無料で施策を走らせることが可能です。

ただし、厳密に言えば内製・外注する場合のいずれであっても人件費やコンテンツ制作費は発生します。

しかし、それらの費用は限られた予算しか活用できない中小企業であっても十分に取り組むことができるコスト感で収まります。

4.制作コンテンツは資産として蓄積。継続的な成果創出と社内活用が可能

自社サイトやブログで更新した記事コンテンツはストック型コンテンツと呼び、途中で非公開にしたり記事を削除しない限り形のある資産として蓄積されつづけます。

特に、記事コンテンツを活用したコンテンツマーケティングは、ユーザーにとって有益な情報を発信し、ニーズを満たすことで検索結果上位表示を目指すコンテンツSEOの考え方に則って実行することになります。

SEO対策によって一度上位表示を獲得したコンテンツは、対策キーワードで検索するユーザーが存在する限り、維持費用をかけることなく半永久的なサイト集客を実現できるのが魅力的です。

また、制作したコンテンツを他のマーケティング施策と連携性を持たせて活用したり、社内向けのノウハウや知見のシェアといった場においても有効的に機能すると考えられます。

5.ユーザーのエンゲージメントや顧客ロイヤリティを高めることが出来る

ユーザーにとって有益なコンテンツを継続的に提供することで、繰り返しのサイト来訪といった接点を持つようになるユーザーも発生します。

このようなユーザーは自社に対して信頼や愛着を感じるようになります。

すると、自社の商品やサービスを進んで購入してみようかな、という購買活動における態度変容を起こしたり、自らがTwitterなどに口コミやレビューを投稿し、友人・知人への拡散機能を担うといった、自社にとってプラスの働きが期待できるようになります。

さらに、一度愛着が芽生えると競合や他サービスへの移行をためらうといった心理作用も想定されるため、顧客継続(カスタマーリテンション)の面でも非常に効果的です。

6.コンテンツを発信することで特定の領域・業界内での立ち位置を確立できる

自社と関連性のある専門分野の情報を発信し続け、そのコンテンツが自社メディア内に蓄積されることで、業界内で明確な立ち位置を確立することができます。

この時に、業界のオピニオンリーダーの立ち位置を確立できれば、「〇〇といえばあの会社だよね」「あの企業の情報サイトを見れば××関連の悩みは解決できる」といった具合にユーザーから想起・認識されやすくなると同時に、信頼も獲得できます。

これは認知度向上やブランディングにも役立ちます。

 

コンテンツマーケティングに取り組むなら理解しておくべきデメリット・弱み3つとその対策法

このように、取り組むメリットが非常にたくさんあるコンテンツマーケティングですが、やはり弱点もいくつかあります。

メリットばかりに目が行き、弱点を理解しないままコンテンツマーケティングに取り組んでしまうと思うような成果を得られないまま頓挫してしまう恐れがあります。

そうならないためにも、事前にコンテンツマーケティングの弱みを知り、その対策方法も同時に講ずることで、腰を据えた取り組みができるでしょう。

1.成果が出るまで時間がかかる→関係者に理解してもらう

コンテンツマーケティングはユーザーの育成を行って関係性を構築することで売り上げや問い合わせなどのCVに繋げる戦略である以上、明確な数値で評価できるほどの成果が出るまでには時間がかかります。

普段の人間関係でも、初対面を果たしてから心を開いて仲良くなるまで誰しも時間がかかりますよね。それと全く同じことが企業とユーザー間の関係でも言えるのです。

具体的には、コンテンツマーケティングに取り組み始めたことを起因とする「何らかの変化」が表れるのに最短でも半年〜1年ほど、確実に「成果が出た」と実感できるほどの状態になるまで2年ほどはかかります。

しかし、それを正しく理解しないまま取り組み始めてしまうと、運用数ヶ月目のタイミングで「成果が出てないけど、これ、本当にやっていて意味あるの?」と他のメンバーや社内の人から疑問を呈され、道半ばで諦めざるを得ないリスクもあります。

そのため、コンテンツマーケティングに取り組む方針で合意形成を行うタイミングで「ユーザーから信頼を勝ち取って関係を構築するのは一朝一夕では難しいため、年単位のスパンを見据えて実行していく必要がある」ということを明確に主張しましょう。

その上で、具体的にどのようなスケジュール感で施策を実行していくのか、ロードマップなどを共有するとより社内の理解や協力体制を得られやすくなるでしょう。

2.手間がかかる→専任者・担当部署を新設する

コンテンツSEOの考え方を前提とした上で、狙うべきユーザーが本当に欲している情報や質の高いコンテンツとは何か?という問いと常に向き合いながらコンテンツを制作するのは決して楽な業務ではありません。

例えば、質の高いコンテンツを制作するためにはユーザーニーズや競合、業界の最新動向に関する綿密な調査や、根拠や仮説に基づく企画立案が付随して求められますが、これらのタスクは本業のある社員が兼務という形で担うにはかなり負担が大きいです。

この弱点をカバーするために、コンテンツマーケティングに専念して取り組む担当者のアサイン、もしくは担当部署を新設するのがおすすめです。

社内のリソースで対応することが難しい場合は少なくとも初動〜軌道に乗り始めるまでは信頼できる運用代行会社に外注することで、確実に施策を回してくれる人員を確保します。

コンテンツマーケティングが成功した時に自社にもたらされる恩恵を考えると、むしろコンテンツマーケティングは本腰を入れて取り組むべきものであり、社として専任メンバー・部署を設けることは当然だと思えるのではないでしょうか。

3.継続的な運用が必須→CVに直結しそうな領域最優先で根気強く取り組む

特にコンテンツSEOの場合、成果が出た!と胸を張れるようになるには安定的な流入数を確保できる上位表示記事を複数本所有できるよう、定期的に新規コンテンツを発信することに加えて改善余地のある既存記コンテンツの調整を行う必要があります。

まず、記事を公開してから検索エンジンにインデックスされ、なんらかのキーワードで検索されたときに結果画面に表示されるようになるまでに一定の時間がかかります。

インデックスが済み、掲載順位の変動が落ち着いたら掲載順位改善を目的とした改善施策を新規コンテンツ制作と同時並行で走らせます。

分析データや競合調査と照らし合わせ、上位表示を狙う上で不足や過剰な要素は何かを検討してリライトでコンテンツのメンテナンスを行いますが、改善施策が果たして本当に効果があったのか正確に評価できるようになるのは施策実行から半月〜数ヶ月後……と、とにかく何をするにも時間を要します。

そのせいで、途中で息切れを起こしてしまい放置してしまうこともしばしば見受けられます。

この弱点を克服するには、社のCVに直結しやすい領域のコンテンツ制作及び発信を最優先に着手しましょう。そして、どんなに小さな変化や成果であっても、こまめに進捗を社内共有し、リアクションをもらい続けることで根気強く取り組むモチベーションを維持します。

この社内共有をきっかけにコンテンツマーケティングがCVに貢献する可能性があると社内メンバーに認識されることで、なかなか成果の芽が出ないフェーズであっても焦らずに見守る空気が醸成され、急かされることなく施策としっかり向き合って取り組みやすくなるでしょう。

「いつか必ず花は咲く」とどっしり構えて土壌を耕し続けるような気持ちで取り組むのがポイントです。

 

まとめ:コンテンツマーケティングは費用対効果の高い集客成果を得られる

コンテンツマーケティングに取り組むなら知っておきたいメリットと懸念点について紹介しました。

成果が出るまで時間がかかるため、それまではひたすら根気強く取り組み続けなければいけないという壁は一見険しく見えるかもしれません。

しかし、一度そこを乗り越えてしまえばWeb集客の礎はすでに固まっていると言っても過言ではありません。それまで仕込み続けたコンテンツが「継続的かつ安定的な流入経路」としての真価を発揮し、費用対効果の高い集客成果を実感できるようになります。

ユーザーにとって本当に価値ある企業になるべく、今こそコンテンツマーケティングに取り組んでみませんか?